秒速5センチメートル

会合後シネマライズで皆と見てきました。以下感想。


第1話の「桜花抄」は結構しょうもなくて、女の子と岩舟で待ち合わせしてたけど雪のせいで宇都宮線両毛線が遅延しちゃった!! ヤバイ!! みたいな話です。ていうか何で平日学校が終わった後に豪徳寺から岩舟に行こうとするのか。普通に休日の昼間に行けよ!! 雪のせいで到着遅れたからそのままその辺の小屋で一夜を共にしちゃったとかいってるけど、遅れなかったとしても到着が19時じゃ結局同じ結果になるのではないでしょうか。まぁでも「栃木遠い!」とか「大宮過ぎると超田舎!」とか「駅と駅の間が離れまくり!」とかいう、北関東のことをまるで知らない主人公の様子はサイコウなネタでしたが。見覚えのある風景を見てニヤニヤすることもできましたし。

第2話の「コスモナウト」も……どうなのか。澄田さんが貴樹に告白しようとしたものの、「貴樹君は遠くを見てて私のことなんか気にしてないから」とかいう理由で結局告白しなかったけど、別に貴樹全然遠くとか見てない。背景でロケット飛ばしたり星空バーンって出してるからそんな気がするのかもしれないけど、単に東京の大学への進学を希望してるのと、初恋の相手を忘れられてないだけで。澄田さんも進路は何も決めてないしなぁ。あと第2話は宇宙航空ビジネスを美化しすぎ。三菱重工の回し者ですか?

そして第3話「秒速5センチメートル」はあまりにも山崎まさよしに頼りすぎでしょ。「One more time, One more chance」は本当にすばらしい曲で、観客の感動も引き起こすんだろうけど、映画としてはそんなことでいいのかと。以前ラーメン発見伝で「味噌は調味料としては美味すぎる」って話があったけど、そんな感じ。あと主題歌の挿入の仕方も、長めのプロローグを終えた後にようやくOPムービーが流れるエロゲーのようなアレなので*1、「おーいよいよこれからが本番なのかー」と思ってしまうと、主題歌の終了と共に映画も終了しちゃって肩透かしを食らった感が*2

つまるところ、明里を忘れられなかった貴樹は3年間付き合っていた彼女にも振られたあげく無職になり、明里のほうは誰かとまともに結婚したということで、「初恋の相手にいつまでもこだわってないでとっとと別の相手を見つけなさい」という結論になるんですかね(それはこれまでの新海アニメを見た際に必ず思い浮かぶツッコミだったわけだが)。でもそれだったら主人公をこんなネガティブな方向に持っていくのではなく、ちゃんと澄田さんとくっつけて幸せな形で締めればいいのに。まぁそれだと山崎まさよしの曲の効果が減っちゃいますが。

そしていい加減、女々しい主人公とウザいモノローグはもうそろそろやめてもいいんじゃないかと思うんですが、やはりそれこそが新海アニメのエッセンスなんですかね。脚本を外注するなりしてもっと別のことをやって欲しいもんだが。なんか文句ばっかり言ってますが、僕はもう一回は見に行くつもりです。

*1:君が望む永遠とか

*2:とはいえ、映画全体で1時間くらいの尺だということはあらかじめ知っていたので、主題歌流して映画が終わるんだろうなという予想は簡単についてしまったが